2019年9月22日日曜日

紫壇と黒檀のコンビハンドル・プーッコ


北欧ナイフ、プーッコのハンドルメイキングはまだ続く。

こんな愉しい遊びのきっかけを与えてくれたブッシュクラフトの師匠への献納品をつくろう。魂を込めた一本になるだろう。





ブレードはラウリの炭素鋼。ハンドルは紫壇と黒檀のコンビとした。スペーサにはレザーワッシャを使用する。





細部をおろそかにはできない。タング末端のカシメには丁寧な仕事をしたかったのだ。実はこの工程にはいくつものコツがある。ほとんどのことをフィンランドのOsmoさんの動画で教わったことなのだが、ハンドルメイキングの最初の工程とつながってくる。

デザインとマテリアルが決まった後、タング末端の焼鈍処理を行う必要があるのだ。「焼きなまし」である。




これは別なプーッコでの写真だが、タング末端をトーチで加熱している。ホウロウのポットには余熱してある砂が入っている。またブレードには熱を与えたくないので、濡らしたウエスで熱を取っている。





真っ赤に焼けたところで砂に突っ込み、放置することで焼鈍が行われる。



 

タングにヤスリを当てて処理が行われていることを確認。

さらに重要なポイントがある。エンドのキャップに開ける穴のサイズと、タング末端の形状を合わせておくことだ。ハンドルのパーツを組み立てて接着する際に、エンドのキャップをパイプ様の物で叩き込んでやるのだ。これらの工程を済ませておかないと、カシメが適切に行われずに強度不足のハンドルという結果を招く。これを理解するまでに三ヶ月以上を要した。






接着を終えたコンビハンドルのプーッコ。





ハンドル形成中の様子である。





だいぶ艶が出てきた。しかし道のりはまだ半ばである。





まだまだ磨く。上の一本については後日に書こう。





ハンドルが完成。

ここから先は、ブレードの研ぎ、シース作成、オイリングを経てようやくの出来上がり。師匠の仕事の隙間を狙って献納である。





わたしのプーッコと記念撮影。写ってるブランクは次なる一本に採用したドロップポイントの80ミリ。











うん。美しい仕上がりである。師匠も喜んでくださるだろう。