2018年5月6日日曜日

ねんぼろの春、採集の日。


今年もこの季節が巡ってきた。
ねんぼろ(のびる)の玉が太ってきた頃だろう。

ねんぼろは、白い球根の部分を刻んで味噌に混ぜ込む。これをどんぶりめしに添える。今年は地元の「丸正」という味噌屋の無添加味噌を使った。

うむ、捗る捗る。日本人の「コメ離れ」みたいなことが指摘されるが、それは「ねんぼろ味噌」の普及を怠ったからであろう。




家から少し歩いた里山の森だ。春の森の恵みたちが待っている。





小径には蕗も出ている。すこし分けてもらおう。





独活。伸び過ぎてるが、茎はまだ柔らかいだろう、少し掘って帰ろう。








ねんぼろの大群落を見つけた。すごい、ここだけで一年分が採れる。スコップでごっそり掘るのではなく、群落の混んでいるところから太い茎を選んで抜き上げる。こうして間引いていくと群落はますます勢いを増し、広がる。来年再来年とたのしみは続いていく。





こういう太いのだけを選んで抜いていく。





これが抜き上げたねんぼろ。大きいね。





この日、2kgぐらいのねんぼろを採った。





玉葱と書けば大げさではあるが、大きなもので3センチ。右のボウルの小さいのは刻んで味噌に混ぜ込む。






大きなねんぼろの玉は、味噌に「漬けて」おく。あくまで主役はねんぼろ。どんな味わいを愉しめるのだろう。





独活も下拵えしよう。皮はきんぴらに、茎の柔らかいところは生のまま酢みそで味わおう。




下拵えした独活の茎。水に漬けておいたが灰汁はほとんど出ていない。食卓に酢味噌と和えて出したら、婆さまがぜんぶ平らげてしまった。




ふきのとうに始まって、たらの芽、こごみ、ぜんまい、行者にんにく、そしてこしあぶらと味わってきた信州の春の味覚である。家から歩いて出かけられるほどの里山の恵みである。ほろ苦さと甘さと、独特の香りや味わいに、この季節との再会を喜ぶ。春夏秋冬のある列島に生まれ育ったことを感謝せねばなるまい。山の神さま、ありがとう。




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