2018年6月30日土曜日

梅雨の終わりの梅仕事


和歌山産南高梅の熟し具合のよろしい物が出回り始めた。これが手に入る期間はごく短い。長期保存用に何キロか買い求め、またまた塩分20%で塩漬けしておく。







平日の夜に仕込める量は知れている。2キロ3キロと買い足しながら、仕込み、また仕込む。ジップロックの袋に日付とロットを記載して、カビの発生を見逃さぬよう、念入りに観察する。いまのところカビも産膜酵母も発生の気配は伺えない。アルコール消毒をまったく行っていないので、相応のリスクがある。このまま逃げ切ることが出来るだろうか。





この宝石のような南高梅の実の美しさ。買って来た前夜にはなかった「しみ」が出ている。急いで塩まぶしせねば。

わたしの手順は、以下の通りである。
まず、塩分は減塩なしの20%を守る。100年の保存を考えているのでこれは譲れない。次に、基本は白梅干しである。自家製ゆかりが欲しいがために、一部に赤紫蘇を使用する。梅は、保存用の「南高梅」と日常用の「白加賀」である。店頭で出来るだけ黄熟したものを選ぶ。これを水洗いしながら、成り口のへたを取り去る。笊に開け水を切るが拭き取りは行わない。続いて昨年の梅酢をたっぷりとどんぶりに注ぎ、梅酢に梅たちをくぐらせる。梅酢に濡れた梅の成り口を、粗塩に押し付けるようにして塩となじませる。梅酢の塩分が余計に加わるが、足らぬよりましだと考える。アルコールやホワイトリカーはあまり使用しない。あっても呑んでしまうからだ。

量が多い時はカメか桶を使用する。ちまちまと仕込む時はジップロックを使う。1キロの小分けにした袋も、天日干しの際に品種等級ごとにまとめる。干しながら若干の選別を行い、優、良、並と分けることもある。





南高梅は重しに気を使う。重すぎると潰れる梅が出るので、極力軽くする。それでも、梅酢にくぐらせるせいか、翌日には新しい梅酢に浸っている。こんどは袋を立てて空気を抜く。漬け物袋を広げた段ボールなどに立てて置き、何段にも重ねる。梅酢の漏れを時々確認しながら、カビを出さないように梅雨明けを待つ。

ところが、である。まだ仕込みも終わっていないのに梅雨が明けた。梅雨明け最初の週末は例年、天日干しである。ことしはこれが、塩漬けに追われる結果となった。









奥のが赤紫蘇仕立てにした南高梅の2L玉、手前のは小梅である。赤紫蘇のことは近いうちに書こう。ビンに寝かせておく場合、重しを次のように工夫している。

まずビニル袋をビンの口に被せる。その中へ、小さなジップロックに詰めた昨年の梅酢を乗せている。万が一こぼれても梅酢である。悪影響はまったくない。かれこれ十年ぐらいか。梅仕事を続けていると、自分なりの工夫が結果を伴ってくる。もうすこし上手に漬けたい、良い梅干しにしたいという「欲」はあるが、欲が前面に出ないように気をつけている。所詮は、梅たちに遊んでもらっているのだ。













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