春の訪れが遅い山国にも、花の便りが届き始めた。西の丘の桜の様子はどうだろうと、眺めに出かけた。
見れば、重たそうなつぼみは膨らみ切って、いまにもほころびそうである。
おおお、開いている。咲いている。平成30年3月31日、町内のソメイヨシノの開花を確認できた。
同じ日。松本市桐の辛夷も開花した。
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わたしがこの星の上で、いち番に好きな桜の樹がある。
ふたつ隣の集落の、「塩倉山 海福寺」という古刹の観音堂の枝垂れ桜だ。塩倉池というため池の畔の、見晴らしの良い丘の上にそっと花を開かせる。
丘の上に、枝垂桜が見えてきた。花はまだのようだが....
丘の裾は果樹園で、林檎や杏などの花も楽しめるのだ。
おおお、花が開き始めている。
さきには「そっと花を開かせる」とタイプしたが、きっと一週間後、もの凄いことになっているのだろう。昨年の様子(旧blogにて)はこちら。
うつくしい、美しい枝垂桜がここにある。
観音堂の背後から、松本市街地と鉢伏山を眺めている。
そのまま小径を登ってゆけば、芥子坊主山に至る。珈琲道具を背負ってきたので、てっぺんでカフェを愉しもうではないか。
芥子坊主山の山頂に着いた。御嶽山、浅間神社、お地蔵様のほかに石祠も祀られている。この山は、古代にはたくさんの昇り窯が築かれたと聞く。信濃の国のお役所が松本に置かれた時期があり、そこへ器を供給していたのだとか。やがて器は、より高度な技術で焼かれたものが東海地方から入って来るようになると、ここの土器焼きの煙も途絶えたのだいう。
わずかに微風が流れる山頂のベンチで湯を沸かす。ガスではなく、アルコールストーブの最高傑作のひとつ、「Sanpo CF Stove」に点火する。外でちゃんと珈琲を淹れるのは久しぶりだと気付く。つい最近、山仲間のようへい君が送ってくれたポストカードがもの凄く素敵で、誘われるように支度してきたのだ。
ようへい君が送ってくれたポストカードだ。
風の音も無い。
アロマを嗅ぎながら味わいながら、時の流れも止まってしまったような静かな昼前のひとときを過ごす。芥子坊主の桜はまだだけど、こうして新しい季節に再会することが出来た。なかなか会えない山仲間たちとの再会も、きっと叶うだろう。
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